
3時過ぎかな?
開かないのはわかっていながら、外の木に飛んでくるセミに魅せられて窓の網戸に手をかけた。
あれっ?あいちゃーーう?開いちゃった。
仕方ないから、屋根に飛び降りた。
さてどこから地面に降りようか、と少し屋根の上をさ迷ったが、何とか地上に降りた。
あとは、こっちのもの。
家の回りをあっちこっち動くことができた。
でも暗くなっては来るし家の中には入れないし、困っていた。
居間の外側にいるとき話し声が聞こえてきた。
トラジはどこにいるん?
帰って来てからまだ見ていないけど、どこかで寝込んでるんじゃないの?
えーっ?帰って来てから見てないの?
また袋戸棚に入り込んで寝てるかな?トラジ!?
僕はそこで、ニャーと鳴いた。
やっぱり、ここにいたんだ。
トラジ!早く出ておいで!
僕はそこじゃないよ!外だよ!ニャー。
えーっ?何か違うところで鳴いてない?
ニャー。
カーテンが開けられ、やっと光が漏れてきて、ほっとした。
トラジ!外にいたの?
入り口が開けられ、中に入ることができた。
二階の網戸が開いていた!
いつから出ていたんかな?怖いことなかった?
ニャー。心配かけてごめんニャー!